見た目は同じで、非常に軟らかい食品

2012年、日本では65才以上が3000万人(全人口の24%)となり、猛烈な勢いで少子高齢化が進んできています。

そんな中、食について言えば、日本人は世界の中でも「おいしいものを食べたい!」という欲求が非常に強い国なのですが、加齢、脳血管障害、口腔障害、神経障害などにより、そしゃくえんげ障害を起こされ、誤えん性肺炎になられる方がたくさんおられるそうです。

そういう方々は、口から栄養を摂れたとしても普通食を食べることができず、細かく刻んだ刻み食やミキサーで何の食品化わからないようにドロドロにした食品しか食べることができませんでした。

それが、凍結含浸法という方法が発明され、食品内部に物質を急速導入
することによって、見た目は同じで非常にやわらかい食品が出来るよう
になり、介護の現場ではそういう食品を提供される施設が増えてきて、
見た目の良さが食欲をそそり、食べることに障害を持たれている方々に、
食べる楽しみを提供されているそうです。
(食べる人の症状によって軟らかさの調節が可能)

 凍結含浸法によって、すべての食品の硬さが調節できるわけではありませんが、日々研究が進んでおり、だんだんと調節できる品目が増えてきているそうです。

この方法は広島県が特許を取得されています。
これは、すばらしい発明で、介護や医療分野だけではなく、たくさんの分野でこれから普及していくことと思います。

2014年7月21日

広島国際大学
医療栄養学部開設記念講演会

介護食にも“食べる”楽しみを!

坂本 宏司(広島国際大学医療栄養学部教授)

前西 政恵(社会福祉法人あと会 管理栄養士)

記事作成:2014-07-31